センバツ高校野球

 愛工大名電 5-4 立命館宇治 
 高校野球が開幕しました。京都、ということで、この開幕カードを見る。力量はもう完全に名電が上。特に名電のピッチャーは未完成でランナー出ると乱れる*1が、球筋は将来性ある逸材。

しかしまあ、名電のアレなんだよ。全員バントの構えからって。どのような状況、カウントでもまずバントの構えを見せる。いいカウント(ボール、アウト)で揺さぶりかけるとか、中軸打者以外は打力無いチームとかが、『お前は打てないんだから、バント』なら解るんだが*2。ランナー塁上に居る状態で、3、4、5番打者にもバントの構え(ブラフだけどね)見せさせるとは。実況・解説によると、監督は攻撃野球を志向していたが、昨年甲子園で通用しなかったことによる名電の監督の解、のように言っていた。

 違うなあと思う。まず自分のバッティング出来るかでしょうに。その上でのバリエーションとして、『この局面ではバント、このカウントでは揺さぶり』というのを指示・指導していくべき。4番打者がバントフェイク入れるの見て萎えた。なら彼は何の為に『4番』の位置なのか。このようなセコイことして、こじんまりしてどうする。

 理解できなくない部分もある。指導者がいつの時代も言う、『時間が無い』が主な理由だろう。一つ上の段落のような細かい野球を、選手個人が考えて実行するのはセンスの部分が大きい。僕らの世代だと桑田や立浪ぐらい持ってこないとだ。結果として、『普段からバントの意識高める、ボールを見ることを植えつける、それにはまず構えはバントから。』なのだろう。いざ甲子園でバントしようとして出来ないチームも多いから。

 野球には打順というチカラ関係の序列がある。2番打者、下位の7、8番がこういう『揺さぶり』するのは悪くないし、チカラ関係の序列で言えば今日の試合はむしろ立命館宇治がこういう野球をするべきでしょうね。でもチーム内序列で言えば中軸打者、特に4番は『チカラで相手をねじ伏せる』べきなんですよ*3。バント主体のチームでも別に良い。でもアンタッチャブルな部分や人を作るべきなんだよ、それが4番打者であり、カウント状況判断なんだと思うなあ。

いわゆる『甲子園野球』自体は戦略として認めるが、『一塁へのヘッドスライディング』、『明らかに届かない打球への、無駄なスライディング守備』、に並んで『中軸打者が、バントのフェイクで、自分のバッティングを組み立てる』は違和感あるなあ。選手はようやっとるけどなあ。名電の監督は『例年の甲子園』がトラウマになってるんだろうなあ。

*1:体重移動に難あって、投げ急ぎが多数。フォームをイジるわけではないので、指導者の力量に期待したい

*2:名電の選手は、『今すぐ消防・警察からスカウトかかりそうなぐらいイイ体』してたことは追記。

*3:裏かいてのオプションのドラッグ・バントは認めるがね