レジ嬢

 久々の夢である。

 何かの本を探しているようだ。JR石山駅付近の3階建ての本屋兼スーパーのようである(実際にそのような建物があるとは思えないが)。1階がスーパーになっており、2、3階が本屋の構造であるようだ。僕の目的の本は、その3階にある模様である。螺旋階段を登って到着した。何故か非常に高い期待感があった。


 しかしながら3階は閉鎖されていた。階段横のガラスドアは鍵が閉じられており、『3階○○コーナーは休業中です。』という味気ないプリントアウトだけが掛けられていた。ドアと繋がるガラスの壁というか敷居の向こうでは店員がけだるそうに作業している。本棚には三分の一ぐらいしか本が残っておらず、床にヒモで括られた本も目立つ。どう見てもリニューアルというより閉鎖作業である。


 かなりの失望があったが、気を取り直して1階のスーパーで『せめて』という感じであろう、ポテトチップス“コンソメ味”とボルビックを買おうとカゴに入れる。レジが三台あるのだが、空いているのが一台のみ。その唯一のレジが非常に混んでいた。

 奥を首を伸ばして覗くと、かわいらしい制服に身を包んだ女性店員(ブリグリのボーカルの人の風貌)が居るではないか。これは店員さんに仕事させないと。“レジ休止中”の札の掛かった2番のレジの前に僕は立つと『anybody home !』な感じである。

 そしてカワイイ店員さんが来たのだが、レジを前に突然泣き出す。『ワタシ、ニホンゴ、スコシ、ネ。』…どういうことか。奥をさらに覗くと、もう一人居たので目で合図して呼ぶ。しかし、その店員も『ワタシモ、ニホンゴ、スコシ、デスカラ。』と困り顔。


 ポテチ一袋と水一本にえらく時間掛け、レジスターが連判状のような数のレシートを再発行したあげくに二人から出たファイナルアンサーは、『二万百二十五円だとオモイマス。』というお言葉。



 夢にさえもハッピーな結末が無い体質を何とかしたいと思う。