農作物の盗難について

 さくらんぼ 佐藤錦の盗難 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050621i113.htm

 解ってる人には解ってると思いますが、念の為に。


 確かに最近の不況や、テレビ・ネット等で情報が伝わりやすい世の中なんで、単純な売り目的や興味本位のヤカラが犯行に及んだ可能性も否定は出来ません。数ある農作物の盗難にはこういったものも含まれるでしょう。記事中にもあるように、『収穫作業に精通した犯人が、商品価値が下がらないよう準備したうえで盗んだ。』とあり、経験者が犯行グループに混じる・指導していた可能性もあるでしょう。でも、だ…

 
 一番犯行の可能性が高いのは、ご近所と身内、そして、一地域隣の同業者である。


 僕はさくらんぼの栽培・収穫については知りませんが、米の盗難の時にそう思ったのです。どのケースも手際が良すぎる。おまけに捕まったり、販売ルートが判明する等がニュースになることがほとんど聞かない。

 これは、捕まったり犯人の絞りこみが出来ても起訴されない(身内やご近所)、バレずに転売する際でも、ブレンド・袋詰めの工程まで犯人がルートを持っているのではと推測してしまうわけです。

 また、被害者の方の被害の大きさ(金銭・精神両面)に比べ、盗難された農作物を金銭価値に置き換えると、都市経済の価値からは少ないと言える金額です。都市生活者が手を出すには難物と言えます(米の時で倉庫から取ってたケース。アレなんか農家出身のウチの親父でも『無理。常時触ってるヤツでないと、積荷全体が崩れるし、袋が破れるし、ブランド狙い打ち出来ん。』とか言ってました)。



 まあ、今更なんでこういう事書くかというと、テレビの司会者とか解説委員とかが、『こういう犯罪は許せない。農作物を…』とか言ってまして。その言外にあるニュアンスに、“農作物のありがたみが解ってないヤツの犯行”という誤った認識があるのではと思ったからです。それは言い過ぎ(報道だと断定口調で言えないとかもあるでしょう)でも、農作業に係わったことの無い人には、『農業知識のある外部犯行者と思ってしまう。』と伝わる表現だったからです。

 
 僕の考えも推論です。ただし、最近は農林水産関係が産地表示が厳しくなったとはいえ“最近のこと”ですし、厳しくなったせいで“良質の本物”が不足してるとも考えられます。さらに米関係ですけど、家族規模の農家は精米や袋詰めをセンター等の公共・共同施設に頼っていますが、産地直送を売りにしてる生産者や大規模経営してる所は自前で出荷・ラベル付け出来る環境を持っています。